外国資格認証における資格枠組みの使用勧告

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コメント(解説):欧州諸国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどでは、資格枠組み(qualifications framework: QF)と呼ばれるものを開発しています。資格枠組みはレベル別(例えばオーストラリアはレベル1-10)になっており、その国で授与される資格はどこかのレベルに該当するようになっています。そして各レベルには、資格の取得に必要な学習成果が定められているので、QFのある国の資格であれば、それがどのような人に授与されるものなのかを知ることができます。この勧告は、外国の資格を進学などのために審査する際に、このQFを利用していきましょうと推奨するものです。


正式名称
Recommendation on the Use of Qualifications Frameworks in the Recognition of Foreign Qualifications

実施主体
UNESCO/欧州評議会

実施年
2013年

概略
2013年6月にリスボン認証条約委員会が採択した、リスボン認証条約の副次的文書。海外の資格や学位を認証※1する際、資格枠組み※2の使用を推進するため策定された。

同様の副次的文書としては、これまで「ジョイント・ディグリーの認証に関する勧告」(2016年改訂版採択)、「国境を越えた教育提供におけるグッド・プラクティス規約」(2007年改訂版採択)がある。

本勧告は、前文、用語の定義、勧告の範囲と留意事項、勧告事項で構成されており、さらに付加文書(Explanatory Memorandum)も存在する。 主要部分の日本語仮訳はこちら(pdf)。

付加文書では、過去の欧州高等教育大臣会合における各声明での資格枠組みに関する箇所の抜粋と、リスボン認証条約締約国で欧州高等教育圏外にある豪州、ニュージーランド、カナダの資格枠組みの簡単な紹介記述がある。


※1 外国資格の認証:ある国で得た学位等の資格が別の国において、有効であるか、あるいはどの資格と同等であるかを審査すること。
※2 資格枠組み:資格を学習の達成レベル(学習量、学習成果、能力など)により分類したもの。

国境を越えた教育提供におけるグッド・プラクティス規約(改訂版)

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コメント(解説):本規約は、国境を越えた教育提供におけるリスボン認証条約の補足文書の位置付けで、派遣・受入双方の国が留意すべき観点について定めています。また、授与される資格・学位の質保証や通用性の向上、関係者すべての利益の確保なども期待されています。大学が国境を越えた教育を提供する際の注意点として参考になります。11項目の規約は日本語の仮訳を作成しています。


正式名称
Revised Code of Good Practice in the Provision of Transnational Education

実施主体
欧州評議会/UNESCO

実施年
2007年

概略

リスボン認証条約におけるグッド・プラクティスについての規約。前文・定義・規約から成っており、さらに付加文書(Explanatory Memorandum)が付随する。

本規約は、2001年に制定された同名の規約の改定版である。これに関するこれまでの経緯は以下の通りである。

  • 1999年 国境を越えた教育ワーキンググループで「規約」が採択される
  • 2000年 ENICネットワーク※年次総会に提出・承認され、欧州評議会/ユネスコ認証条約政府間会議へ送付される
  • 2001年 同会議により「規約」が採択される
  • 2005年 ENICネットワーク※により「規約(改訂版)」が承認される
  • 2007年 欧州委員会/ユネスコ認証条約政府間会議により「規約(改訂版)」が採択される

本規約は、国境を越えた教育提供におけるリスボン認証条約の補足文書の位置付けで、派遣・受入双方の国が留意すべき観点について定めている。

同時に、高等教育での国境を越えた取組みにおいて、(a)派遣・受入両国の期待を充たし、(b)提供されるプログラムおよび授与される資格の質保証と評価の参考となり、(c)学生・雇用者を含む関係者すべての利益を保護し、(d)授与される資格の通用性を高める役割が期待されている。

全11項目からなる規約部分の日本語仮訳こちら
また、本規約制定に際して参照された世界の諸規約として、以下のものが挙げられている:

  • Universities and their Students; Principles for the Provision of Education by Australian Universities. RE; Provision of Education to International Students. Code of Practice and Guidelines for Australian Universities(AVCC, 2005)
  • Principles for United States Accreditors Working Internationally: Accredetation of Non-United States Institutions and Programs(CHEA, 2001)
  • Sharing Quality Higher Education Across Borders: A Statement on Behalf of Higher Education Institutions Worldwide(CHEA, IAU and AUCC, 2005)
  • Code of Practice for the Assurance of Academic Quality and Standards in Higher Education. RE: Collaborative provision and flexible and distributed learning (including e-learning)(QAA, 2004)

※ENICネットワーク:欧州情報センターネットワーク。ENICはEuropean Network of Information Centresの略。国外で取得された学位・資格の認証にかかわる情報提供の拠点。

ジョイントディグリーの認証に関する勧告

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コメント(解説):大学、資格認証機関や質保証機関が、進学などのための審査でジョイントディグリーを評価する際に、基づくべき原則が記載されています。大学が授与したジョイントディグリーを、他機関が資格審査をする際、審査の透明性が確保されているかという視点で参考になります。ジョイントディグリーの扱いに関する基本原則を知るために活用ください。


正式名称
Recommendation on the Recognition of Joint Degrees

策定主体
UNESCO/欧州評議会(リスボン認証条約委員会)

策定(実施)年
2004年6月9日 採択
2016年2月29日 改訂版採択

概略
「欧州地域の高等教育に関する資格認証条約」(1997年、UNESCO/欧州評議会の地域条約)の副次的文書として策定された勧告。異なる国の複数の高等教育機関による共同のカリキュラム開発及びジョイントディグリーの授与が、学習あるいは就労のための流動化(モビリティ)を促進し、欧州高等教育圏の確立に貢献することを強調。また法的な側面で課題の多いジョイントディグリーの認定を促進する必要性を唱えている。欧州各国政府が、ジョイントディグリーに関する政策を策定する際には、本勧告を参照することを奨励。

ジョイントディグリーの定義と授与形態、ならびに質保証については以下のように示されている。

○ 定義
ジョイントディグリーとは、2つ以上の高等教育機関による共同教育プログラムにもとづいて授与される、高等教育の資格のこと。その学位記は、単一の文書として発行される。

共同教育プログラムとは、2つ以上の高等教育機関が共同で開発、運営、提供をしている教育プログラムで、ジョイントディグリーの授与につながるもののこと。

○ 質保証と資格認証
1つの質保証機関が代表して評価をした共同教育プログラムについて、その評価結果が関係するすべての国で正式なものとして扱われているならば、そこで授与されたジョイントディグリーも認証されるべきである。

上記の単一評価が行われていない場合、すべての関係国と欧州地域で求められる要件を充たした透明性の高い質保証制度がプログラム全体に対して用いられているという条件で、当該学位は認証されるべきである。

リスボン認証条約批准各国の政府は、共同教育プログラムの質保証に関する法整備を進めるべきである。